「大企業の採用を模倣しない」

株式会社キーカンパニー 代表取締役 下薗博康 のブログ「風は南から」

「大企業の採用を模倣しない」


2012年10月18日

現在中堅・中小企業様向けに「“採用したい学生”と相思相愛になる選考プログラム」というタイトルでオリジナル選考プログラムのご提案をさせていただいておりますが、ご提案の際必ずお話ししているのが、「大企業の採用を模倣しない」ということです。

以前からブランド力のある大企業の採用は効率を追求していましたが、ナビという何とも利便性の高いメディア兼コミュニケーションツールが採用活動と就職活動の主人公になってからはより一層その要素が色濃くなりました。

30,000人だの、50,000人だののエントリーがくるようになるとその発想は理に適っているとも言えます。

ナビが登場するまでは、ハガキでの資料請求が主でした。

それはそれで資料を請求する学生側の負荷も大きかったわけで、それがWEB上の一回の作業で相当数の企業にエントリーできるとなれば、学生にとってのメリットも大きかったわけです。

しかし結果的に、大企業へのエントリーが膨大に伸びてしまったことで、大企業は「落とす採用」に舵を切らざるを得なくなり、一部の学生(むしろ大半の学生といった方が正確かも)がその影響を大いに受けていしまっいるのです。

では大企業の「落とす採用」というのはどういった採用なのでしょうか?

まず前述の通りに大量のプレエントリー者がいるわけですから、全ての学生と会うというのは非現実的な話であり、必然的にデータベース上でスクリーニングをかけざるを得ません。

まずは「学歴」というフィルターが登場してきます。

同時にプレエントリー者にWEB上でESを課すのですが、これは学生を「意欲」によってスクリーニングしていると言えます。

モテモテの女性が、会ってもいない複数人の男性から言い寄られた際に「どれだけ私のことが好きなのか?手紙を書いて送ってちょうだい!」みたいな感じですね(笑)

就職でも、恋愛でも、その時点でどの学生と、どの男性と相思相愛になれば将来一番幸せなのかはよくよくわからない時点(出会う以前)で、意欲だけで判断してしまっているようなものです。

その後大企業は、グループディスカッションや筆記試験・適性テスト等で更に学生を絞り込んでいき、面接のフェーズにたどり着けるのはごく僅かなそつのない優等生ということになっていく傾向にあります。

また、すごいポテンシャルのある学生が些細な理由で落とされている可能性が高いとも言えます。

しかし冷静に考えると、私はこの採用自体を否定することはできないと思います。

問題なのは、知名度のあまりない中堅・中小企業がこういった大企業と同様のスタンスや手法で採用活動を行ってしまうことです。

ではどんな採用活動をすればいいのか?

中堅・中小企業の採用において「落とす」基準の見直しが必要だと考えます。

例えば、志望動機が言えないから「NG」は本当にそれでいいのか?

そもそも企業研究をしてから選考に来てくださいと言っていたにも拘らず、それを怠った学生は「NG」でしょうが、調べたけど今時点で明確な動機が見つからなかったのであればこれは致し方ないはずです。

むしろ、取ってつけたように、どの会社にも当てはまるような志望動機をひょうひょうと話す学生の方がある意味要注意人物です。

それから短期間で修正ができるような癖や言葉遣いだけで「NG」にするというのも危険だと思います。

シャイで口下手などは、短期間での訓練でも十分修正がきるのです。

逆にメチャメチャハイスペックな学生だから「OK」というのもまたまたリスクがあります。

仮にその学生が入社した後、両者が本当にハッピーになるのか?という疑問が残ります。

誤解を恐れずに言いますが、身の丈に合う、或いはちょっとだけ背伸びをした人材を経営方針に基づき採用することが重要なはずです。

そういう意味でも中堅・中小企業としては単に「落とす採用」ではなく、シッカリと見極め「入れる採用」への転換が求めらているのではないでしょうか。