「真のリーダーシップとは?」

株式会社キーカンパニー 代表取締役 下薗博康 のブログ「風は南から」

「真のリーダーシップとは?」


2014年4月17日

ここ数年、3月末から4月の上旬にかけ、新入社員の研修のインストラクターを拝命します。

今年も2社の合宿研修に参加させていただいたのですが、その研修で私自身が学ばせていただいたことを皆様と共有させていただきます。

とあるSierさんの新入社員43名のうちの11名(5名と6名の2チーム)を担当させていただきました。

この2チームは、チームカラーがとても違う対照的なチームで、それぞれのリーダーのキャラも全く異色な2人でした。

一人のリーダーは、新入社員43名を代表する逸材で、常に全体を引っ張っていく姿勢漲るリーダーで、誰の目から見ても抜群のリーダーシップの保有者A君。

もう一人のリーダーは、見かけ爽やかなのですが、何となく自身が無さそうな立ち居振る舞いをするちょっと頼りない印象のリーダーB君でした。

会話をしながら、それぞれのリーダーの素性を把握していくのですが、A君は東都リーグでも実力のある大学の野球部キャプテンで、根っからの体育会系だということが分かりました。

野球の実力はもちろん、部内をまとめる資質を有し強いチームビルディングを実践してきた経験を持っているというわけです。

さてこの研修のテーマは「人とモノゴトと自分に向き合い、一生懸命を続けること」という非常にシンプルなものなのですが、大半のプログラムはチーム単位で競い合い明確に順位付けをするという、かなりインパクトのある内容です。

A君とB君のチーム含め、合計8チームが2泊3日の間で様々なプログラムで競い合うのですが、結論を申し上げると絶対的リーダーA君のチームは、何と最下位という結果に終わったのです。

しかも、メインである約43kmをチーム全員で制限時間内に歩き切るというプログラムにおいては、8チーム中唯一リタイアしてしまうという、A君にとっては何とも屈辱的な結果でした。

一方で、ちょっと頼りない印象のリーダーB君率いるチームも、残念ながら一位にはなれませんでしたが、私の主観で言うとかなり健闘したと思いますし、研修終了時点でのチームの状態は非常に良い雰囲気になっていました。

ではなぜ、圧倒的なリーダーシップを持っていると思われるA君率いるチームが最下位になったのか?

それはA君が今までリーダシップを発揮してきた環境と研修中に組まれたチーム環境に大きな乖離があるということです。

大学時代A君は、全国の野球の名門校から集まってくるある意味エリートの集団の中でキャプテンというポジションで実績を出してきたわけですが、今回の研修中のメンバーは、体育会と対極にいるようなエンジニア候補の人材や体力全く自信のない女性など、様々な資質の集合体の中でのリーダーとして成果を上げなければならなかったのです。

A君の勝負への拘りはチーム内でも飛び抜けていたので、個人レベルでは常に成果を上げられるのですが、どうしてもチーム力は上がらない。

ストレスを感じたA君は、チームのメンバーに対して徐々に厳しい口調へと変わっていきました。

こうなると、ある種チームは崩壊です。

そうです、A君は今までの経験値、つまり自分と同等の実力を有していて、野球という自らが主体的に活動したいと考えるメンバー間でリーダーとして成果を上げてきたわけですが、今回の研修では目的や目標は共有できていたとしても、個々の価値観や志向、或いは体力などがバラバラのメンバーで、且つ会社の研修という一般的にはあまり主体的になりにくい環境で、今までと同じようにリーダーシップ(成功体験)を発揮しようとして、失敗してしまったのです。

学生時代の部活等におけるリーダーシップと、社会に出て様々なプロジェクトにおけるリーダーシップの違いを痛感する出来事でした。

真のリーダーシップとは何か?

どのような環境下においても、成果を上げるためのチーム作りが出来る人材なんでしょうね。

ちなみに、A君に私の気付きを正面から話したところ、涙を流しながら「正直しんどかったです。でもご指摘の点、メチャメチャ痛感しました!今後ビジネスにおいて今回の経験を生かしていきます」と心強い言葉を返してくれました。

A君が有能なリーダーになり、会社を牽引する姿を容易に想像することが出来ました。