「採用支援会社が勘違い学生を生み出していないか?」

株式会社キーカンパニー 代表取締役 下薗博康 のブログ「風は南から」

「採用支援会社が勘違い学生を生み出していないか?」


2015年7月9日

最近私の中に悶々とした懸念が芽生えてきて仕方ありません。

来年入社する学生達(2016年4月入社の新入社員)は入社後シッカリと定着し、活躍するのだろうか?という懸念です。

その課題に目を向け、現在採用支援を生業としているわけですが、とりわけ今年の状況を客観視する限り、例年以上の危機感を感じずにはいられません。

その理由は、誤解を恐れずに言うと一部の学生が何となく勘違いしているのではないかということです。

バブル全盛期に就職活動をしていた私が言うのも何ですが、何となく実力以上に企業から評価されていることをあたかも当たり前のごとく捉えた言動が目立つ印象です。

現時点で内定を複数社持っている学生との会話の中で「現時点でA社とB社で迷ってるんですが、8月の大手の選考を受けてから最終的に決めるつもりです。内定って評価の証じゃないですかぁ~、これだけ評価されてるわけですから大手からも内定出るんじゃないかって思ってます。それにしてもA社もB社も担当の方がコマめに連絡してくれて、その都度就活の状況を聞かれるんですが、よっぽど僕に入社してほしいってことなんでしょうね(笑)」といった発言がありました。

私は「すごいね。ちなみに企業から自分のどこが評価されていると思う?君はその会社に入社したら本当に活躍できる?」と切り返したのですが、彼はきょとんとして返す言葉がありませんでした。

確かにこの学生が発した言葉は理に叶っています。

更には私たちも企業の担当者の方々にシッカリと学生を惹きつけして手厚いフォローをしてくださいと助言していますのでとても複雑な気持ちになりました。

仮にこの学生が志望する大手企業から内定を取得してその企業に入社する、或は残念ながら大手を落ちて、A社かB社に入社したとしましょう。

果たして社会に出てから活躍するのでしょうか?

もちろん活躍する可能性はおおいにありますが、個人的には非常に疑問です。

ご存知の通りこういった現象は、売手市場化とスケジュールの後ろ倒しが大きく起因しているわけですが、そのことで企業の学生対応(惹きつけやフォロー)がやや過剰になり過ぎている可能性があるのではないかということが前述の通りの私の危機感です。

自社に入社して欲しいあまり、

●実力以上の過大評価をしている(採用基準を下げるケースも)
●学生に評価をフィードバックする際、ネガティブな要素を割愛している
●自社のネガティブ情報を極力開示しない
●入社して欲しいオーラが出過ぎている
●学生にチヤホヤする

といったことが恒常化しているのではないかと思うわけです。

つまり「学生を惹きつける」「手厚くフォローする」という言葉が独り歩きして、学生の勘違いを生み出しているのではないかと・・・

こういった勘違い学生を生み出している原因が、私たちのような採用支援の会社にあるのではないかと思うと非常に心苦しい限りで、猛省しなければなりません。

「学生を惹きつける」「手厚くフォローする」とは、入社後の定着と活躍を見据え、学生をちゃんと大人扱いし、指摘する点はしっかりと指摘する、社会や仕事の厳しさまでを伝えることまでも含めて理解を深めることを意味しています。

我々はそこまで踏まえて、責任を持って企業に提案をしていく必要があるわけです。

社会・社会人は学生の鏡です。

肝に銘じて引き続き採用のご支援をしていこうと強く思う今日この頃です。